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大衆と建築
大衆と建築の関係を考えていく上で、まず、社会学者や批評家等が戦後日本の社会をどのように捉えているか見ていきましょう。戦後の日本社会を巡って、見田宗介や大澤真幸、東浩紀等は、理想の時代(1945-1970)、虚構の時代(1970-1995)、動物の時代(1995-2020)の3つに時代区分しています。理想の時代はみんなで一つの理想を求めた時代で、戦後から始まり1970年で一つの区切りを迎えました。その後、1970年から1995年の虚構の時代では、その理想が空中分解する一方で、個人の考えのようなものが重視され、虚構的なものへ向かって行きました。そして1995年を境にその虚構が分解され、動物の時代が来たと論じています。2019年12月以降は世界的なパンデミックに見舞われ、今また新しい時代を迎えていると言えます。これらを踏まえてそれぞれの時代の大衆と建築の関係を見ていきましょう。