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意匠と建築

明治時代に西洋から近代的な概念が入ってくる中で、アーキテクチャー(Architecture)という言葉も輸入されました。アーキテクチャーは現代においては建築と訳されますが、当時は造家(ぞうか)、いわゆる家を造ることであるとされました。
しかし、西洋におけるアーキテクチャーは単に家を造ることではなく、“Archi=統合する”、“Tecture=全ての技術を”といったことが語源となっているように、全ての技術を統合するという意味があります。そこでアーキテクチャーを何と訳すかが見直され、現代の“建築”という呼称になったという経緯が日本にはあります。
このように日本において建築は最初、“造家”であり、今もその感覚が残っているようなところもあり、このギャップが建築家の立ち位置を難しくもしています。easel AD(Architectural Design)では、複雑化する現代の日本社会において建築家の役割や立ち位置とは?、エンジニアやアーティストとの違いは?といったことを考えていく中で、建築とは何かということを皆さんと一緒に見ていきたいと思います。

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